ママへ
ずっとずっと言えなかったけど、
言いたかったことがあるんだ。
「あたしは、ママに、話を聞いてほしかったんだよ」
何が話したいわけでもないんだけど、
話したいこと忘れちゃったんだけど、
でも、ずっと話を聞いてほしかったんだ。
「そっかぁ」って、
「そんなことがあったんだね」って
「頑張ったね」って
話を聞いてほしかったんだよ。
でもだからって大げさにしてほしいわけじゃなくて、
毎日「今日はどうだった?」「どんなことがあった?」って聞かれたいわけでもなくて、
あたしが話したいなって思ったときに、
ゆっくり時間をとってほしかったの。
自然に、ゆったりお話ししたかったの。
「ママはここにいてくれる、大丈夫なんだ」って安心したかったの。
なんでもない話をして、
最後に「ママ大好きだよ」って言いたかったの。
大人になったけど、ずっとずっと寂しかった。
大人になって、ちょっとずつ自分のこと話せるようになったから、
もう手のかかる弟たちもいないから、
お話し聞いてね。
お話ししようね。
大好きだよ、ママ。